感想文
先日、学習発表会(学年全体での演劇の発表)の感想文を書くのを手伝ってやってほしいと小2の男の子の担任の先生に頼まれました。短くてもいいと言っても1行も書かないと。書くことが苦手なので、ただ億劫がっているのかなと思いつつ、いつもの教室に移動後、感想を聞いてみました。初めは黙っていましたが、少しずつ、「声が小さい」とクラスメイトに練習期間中ずっと言われていたことを話してくれました。当日も本人はがんばったつもりだったけれど「小さかった」と言われたと。発音に自信がなかったからかもしれません。表情には悔しさがにじんでいました。感想文を書きたくない理由もわかりました。
そこで、他の人の意見より自分でがんばったと思えることが大事なことや、私自身も子どものころは声が小さかったことなどを話し合い、しばらくのんびりした時間を持ちました。その後、感想文に何を書くか改めて尋ねると、ちょっと考えてから思い出したように、一転「すごく上手な子がいた。次はその子みたいにやりたい!」とすがすがしい表情で宣言。来年への抱負を含めた前向きな感想文を書くことができました。
子どもには、表面には見えないときでも、自分の成長に対する明るい期待が必ず潜んでいることを改めて教えてくれたできごとでした。ネガティブな精神状態になりがちな外国ルーツの子ども達からそれを上手に引き出して、エネルギーに変えられるよう応援していけたらと思います。