読み書きの練習

 小学校低学年の子どもの中には、日本語を学ぶ必要性がしっかりと認識できていない子どもも多くいます。母国で学校に通ったことがない子どもにとっては、特に、言葉の読み書きを学ぶということ自体が初めての体験。私たちが当たり前のようにひらがなの読み書きを教えようとしても、なじみのない文字であることも手伝って、関心の薄さが表情にも表れ、いわゆる”練習”には拒否感たっぷりです。でも、日本の小学校で学び続ける彼らには、読み書きの繰り返し練習は必須。そこで、”練習”と感じさせない”練習”を考えます。

 ひらがなの練習も、ノートのマスに鉛筆で書いていく代わりに、ホワイトボードや黒板にいろいろな色で書いたり、新聞紙に筆ペンで書いたり、声の大きさと比例するような大きさで書くゲームをしたり。

 先日は、「担任の先生へのクイズを作ろう」と誘って、校庭のブランコや上り棒、うさぎなどの数を数えに行き、「こうていに 〇〇が なんこ/なんぼん/なんびき ありますか/いますか?」の形の質問をいくつか言ってもらいました。それを黒板にわざと間違えて書き、「これ、あってる?」と聞くと、一生懸命に読んで、正しい文をノートに書いてくれました。そして、それらを覚えて担任の先生のもとへ。上り棒の数を間違えた先生に「ざんねん!」と言った顔がなんとも嬉しそうでした。