アイデンティティ

 外国にルーツを持つ子どもたちは、日本に長期にわたって滞在するうちに、様々な困難に打ち勝ちながら、やがて日本語を習得し日本の文化にも馴染んでいきます。その過程で、母国語や母国の文化に対する知識は逆に薄れていきます。そして、そのような子どもが大人になったとき…、自分は果たして何人なのだろう、というアイデンティティの問題に苦しむケースが少なくありません。親とのコミュニケーションが取れなくなる人もいます。

 外国にルーツをもつ子どもたちに日本語を教えている私たちが、子どもたちの母国語や文化を直に教えることは難しいですが、せめて子ども達が母国に関心を持ち、母国語や母国の文化に対する誇りを抱き続けられるように、できるだけのことをやっていきたいと思いながら活動をしています。