”日本人ファースト”の影響
7月の参院選で展開された外国人差別や排斥につながる発言の数々は、テレビの報道やインターネットによって拡散され、たくさんの子どもたちの目や耳にも触れる結果となりました。
立派な大人たちが自信を持った態度で力説している様子を見て、正しい話だと信じ込んだ子どもも多かったことと思います。何色にも染まっていなかった子どもたちの心に濁った色の絵の具が撒かれたようで、いたたまれない気持ちです。
実際、小学3年生の中国籍の女の子が、クラスメイトの日本人の男の子から、「日本を侵略しに来たんでしょ」と言われたと、目に涙をためていました。
議論の余地なく、すでに多くの外国人とその子ども達が日本に住んでおり、少子化の進む日本では今後の外国人の増加も必至です。これから大人になっていく子ども達は漏れなく、多文化共生社会を生きていくことになります。
そんな子ども達の心に、多文化を対等に受け入れ合って豊かな社会を創ろうと考えることに逆行する、ネガティブなイメージが植え付けられてしまったとしたら…。
現在、多文化共生を町田市で広げる活動を始めた”たぶまち”という団体が、小学校中学年の子ども達をターゲットにした多文化共生社会を生きるヒントになる絵本を作っているそうです。完成を待ちたいと思います。