あるお母さまの話

　日本に引っ越してきたばかりの頃、小２の娘は以前の生活、学校、先生、そして特に親友が恋しくてたまりませんでした。新しい土地で、新しい言語を使ってやり直すということは、彼女にとって許容量を超えるものでした。

　学校が始まる前から、彼女は不安でした。他の子供たちに近づくことも、一緒に遊ぶことも、手を振ることさえも恐れていました。でも、誰かが彼女に気づいたり、手を振ってくれたりすると、彼女は嬉しさのあまり顔を輝かせました。その誰かの小さなしぐさには大きな意味がありました。

　登校初日は特に大変でした。娘は、ルールも日課も理解できないまま、一人で登校しなければなりませんでした。彼女は入学を心待ちにしていましたが、理解できない言語で授業を受ける彼女の顔には戸惑いが浮かんでいました。彼女は懸命について行こうとしましたが、疲れ果てて落胆していました。

　彼女にとって最も辛いのは休み時間でした。他の子供たちが遊んでいる間、彼女は一人で座っていました。子どもたちはどう話しかけたらいいかわからないし、彼女はまだ日本語を話すことができない。沈黙と距離感が、彼女をさらに孤独にしました。他の子供たちは友達と笑っているのに、自分は一人で立っている。それが彼女の自信を奪い、学校に行きたくないと思う日もありました。恥ずかしくてトイレに行きたいとさえ言えませんでした。

　親として、彼女が苦しんでいるのを見るのは本当に心が痛みました。私にできることは、「きっと良くなる」と彼女に言い聞かせることだけでした。

　日に日に、彼女は日本語を理解するようになりました。少しずつ、親切なクラスメートが彼女に話しかけてくれるようになりました。その小さな親切で、娘は仲間に入れてもらえたのだと感じられました。まだ難しい授業もありますが、今はサポートと励ましを受け、進歩しています。

　これは簡単なことではありませんでしたが、彼女の勇気と忍耐、そして他の人たちの優しさが彼女を適応させてくれました。彼女が少しずつ自信をつけていくのを見るのは、感動的なことです。時間とサポートがあれば、初めがどんなに大変でも、子どもは新しい環境に適応できると心から信じています。